991GT3後期型のオイルタンクを交換しました。
GT3はドライサンプエンジンのため、エンジンオイルを溜めておくタンクを備えています。
一般的なエンジンにはこのようなタンクは無く、シリンダーブロック下のオイルパンにオイルを溜めています。(ウェットサンプ)
ドライサンプではこのオイルパンの部分がだいぶ小さくなります。その分低い位置にエンジンを搭載でき、なおかつウエットサンプより安定したオイル供給が行えるので911の水平対向エンジンに適した方式と言えます。
競技車両のベース車として開発されるような一部の高性能車のみがもつこのシステムですが、今回はこのタンクとエンジンをつなぐ蛇腹のパイプからオイル漏れしておりました。
縁石か何かにエンジンの下をヒットしてからオイル漏れがあるようだということで入庫いただきました。
まずはリフトアップ。
すでにオイリーなアンダーカバーを取り外すと・・・
まぁまぁな量のオイルが溜まっています。
どこかぶつけてダメージがあるようには見えませんが・・・
これが前述したパイプ。
この時点では他から漏れたオイルが付着しているようにも見えるので、ひとまず清掃してしばらく様子見します。
清掃した次の日にはパイプにオイルが雫になっています。
上から伝ってきた様子もないのでパイプからの漏れで間違いないのですが、このパイプが残念ながらオイルタンク一体の部品。
そしてタンク交換にはエンジンを降ろさなければなりません😵
国内にはタンクのストックがなかったためドイツ本国オーダー、入荷まで約1カ月の作業待ちです。
部品が入荷したのであらためてアンダーカバーを外すと、ほとんどエンジンかけていないにも関わらず相当量のオイルが溜まっています😰
やはり交換して修理する必要があることが確認できたので、俄然やる気を出してエンジンを降ろしていきます。
エンジンブロックはカップカーと同じなので、このエンジン専用の台をモアザンモータースポーツから借りました。
作業のクオリティーアップです⤴️
どー--ん
降りました。
補機類やインテークマニホールドを背負っているので高さがあるように見えますが、エンジン本体はまさしくFLAT6。平べったいです。
エンジンとトランスミッションの隙間を埋めるようにタンクがマウントされています。
タンクを外したところ。
計5本のパイプとホースが繋がっています。
エンジンを降ろす前に外せるパイプは外しておいた方がいいですね。
上が新品のオイルタンク。
比べてみるとオイル漏れする方は蛇腹部のコシが弱くなっていましたが、目視でクラックなどは確認できません。
あとは元通り組み上げ、オイル、冷却水を充填して暖気をし、漏れがないことを確認します。
蛇腹部から漏れないのは当たり前ですが、今度は外したパイプやホースの接続部を注意してチェックします。
またエンジン降ろさないとリカバーできない所もあるので何気に緊張します😓
足回りも分解したので、仕上げに4輪ホイールアライメントを測定、調整して完成です!
今回のオイル漏れが下回りをぶつけたことによるものなのかは定かではありませんが、エンジンが低い位置にある弊害として縁石などにヒットしやすいことは確かなので要注意です!
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