気温が高くなってくると多くなる修理がエアコンです。
「今日は暑いから久しぶりに冷房かけるか🥵」
と思ってエアコンをつけると
- 冷房の効きが悪い
- 常温の風が出る
- むしろ温風が出る
などなど寒い時期にはなかなか気づけない故障に気づくユーザーさんが多くなります。
そして今回は空冷最後のポルシェ 993型911のエバポレーターを交換しました。
と言ってもエアコンが効かないわけではなく、『風の臭いが気になる』とのことでした。
事前にエアコンフィルターの交換をしましたが、十分な改善がなかったようなのでクーラーガス漏れの予防整備も兼ねてエバポレーターの交換をすることになりました。
エバポレーター交換にはエアコンユニット脱着の必要がありますが、そのためにはまずガソリンタンクを取り出します。
写真上側の黒い物体がガソリンタンクです。
固定は金色に見えるバンドで抑えてあるだけですが、フロア下にある燃料ポンプに繋がるホースを外さなければなりません
タンク内のガソリンを可能な限り上から抜き取ってから、車体下にもぐりこんで燃料ポンプは外します。それなりにまだガソリンが残っているので要注意です⚠️
完全に抜けきったらタンクを外します。
スッキリしました✨
次にエアコンユニット前にある仕切り板を外すと。
エアコンユニットが現れます。
通常エアコンユニットはキャビン内にあります。さらに暖房のためにヒーターコアという、小さいラジエーターも入っているのでエンジンから冷却水ホースが繋がっています。
しかし993は”空冷”の”リア”エンジンなので冷却水は使用してないですし、エアコンユニットの脱着はほぼ車の外側からの作業なので特殊ですね😮
エアコンパイプを外すとエキスパンションバルブ(膨張弁)があります。
コンプレッサー、コンデンサー、リキッドタンクを通って低温高圧の液状になった冷媒がここで噴霧され膨張、エバポレーター内で気体になります。
液体が気体になるために必要なエネルギー(熱)を吸収することでエバポレーターが冷やされ、通過する風が冷風になります。
肌にアルコールを塗るとひんやりするのがこの仕組みのようです。
ちなみに
エバポレーター (evaporator) とは、減圧することによって固体または液体を積極的に蒸発(evaporate)させる機能をもつ装置である。蒸発による気化熱を利用した冷却・冷房装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%90%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC
エアコンユニットは室内のエアコンコントローラーとオーディオの奥でボルト3本で固定されています。この車のオーディオは『ポルシェ クラシック コミュニケーション マネジメントシステムPCCM』がインストールされていますね。
下がオリジナルです。
雰囲気はクラシカル。だけど機能はイマドキ。おすすめです👍
いきなり外れたところ😓
必死に作業していたので写真とってませんでした・・・
基本的にあとはユニットに繋がっているものを外せば取り出せますが、上下左右のクリアランスが狭いのですんなりとは出てきません😣
ユニットを上下に分割して取り外したエバポレーターと新品。
そこまでひどい汚れやカビはないですが、やはりそれなりに気になる臭いはします。
劣化した隙間埋めのスポンジなどを交換、逆の手順で組んでクーラーガスとガソリンをいれれば作業完了です✨
エアコンの風も無臭👍
これで快適に夏が越せそうですね😃
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